約半年間におよぶマナビDX Questも2月で終わりましたので、前回に続いて後半戦である第2タームの体験記を書いていきます。
前回の第1タームの記事は以下を参照してください。
マナビDX Questの参加記録の続きです。前回の記事は以下を参照してください。 [sitecard subtitle=関連記事 url=https://pythonandai.com/manabi-dx-quest2023-reco[…]
なお、昨年末頃から本業と家庭の事情で忙しく、第1タームに比べると時間も力も入れられなかったという個人的事情は最初にお伝えしておきます。
地域企業協働プログラム
第2タームの目玉は私がこのマナビDX Questに参加を決めた理由の1つでもあるこの地域企業協働プログラムです。
プログラム概要
この地域協働プログラムの概要は以下の内容になっています。
(引用元:https://dxq.manabi-dx.ipa.go.jp/)
要は、実際に地域企業と一緒にDXに取り組もうというものです。
チーム組成
このプログラムでは受講生で5~6名のチームを作って取り組む必要があります。こちらについては前回の記事でも述べましたが、事務局がお見合い用のZoomミーティングを設定してくれたり、Slack上で専用のスレッドが立てられたりと、マッチングのための場を用意してくれます。私はお見合い会で一緒になった方にSlackのDMを通じてご連絡し、その方が他のメンバーを集めてくれてチームを組成することができました。
私たちのチームは様々な業界のメンバーが集まった社会人チームで、システムやDX(デジタルトランスフォーメーション)の経験がある人が半分ほどいた他、プロジェクト管理やセミナー登壇などの経験がある人など、多様なキャリアが集まったチームでした。
企業の選択
チーム組成が終わると、次は協業企業の選択の段階に移ります。事務局から提供される参加企業リストには、各企業の事業概要、DXへの取組の状況、そして相談内容が含まれているので、この情報を基に協働企業の選定を行います。チームで希望企業と優先順位を決めて提出し、その中のいずれかの企業から指名されると協働できる仕組みになっています。マッチングが成功しなければプログラムへの参加は叶いません。そのため、我々は可能な限り多くの企業を選定しました。
幸い、3回あるマッチングの機会のうちの初回で我々の優先順位の高い企業の一つから選ばれ、望んでいた企業と協働することが確定しました。
企業の現状把握とそれに対する打ち手の検討
企業が決まったら、次は企業側のDXの現状把握やと実現したいことの確認です。私のチームの協働企業はすでに社内でDXに向けた取り組みを開始しており、データの蓄積やBIツールの使用など具体的な行動もされていました。
しかし、データ利用方法やツールの最適な使用法に課題感を持っており、さらに企業内の部署ごとにDXへの取組み方が分断され、全体としての一体感が欠けている状況でした。その解決に向けて私たちのチームメンバーで対策案を話し会いました。
その結果課題をいくつかに部類分けし、それぞれの解決策として、他社の事例紹介や、蓄積データを活用した簡単なツールの作成を行うことになりました。
自身の作業内容
私はツール作成担当として、過去データを基に工数を予測するツールを作成しました。企業側の使いやすさを考えてExcelのツールとなり、重回帰モデルを使用してVBAでコーディングすることとなりました。精度や実行時間に関しては自身でも疑問符が付くできとなりましたが、一ヵ月足らずの間にデータの確認からコーディング・テスト、仕様書や手順書の作成までこなさなければならなかったので、限られた時間の中ではこれが限界だっただろうとも思っています。
成果物の提出と企業側の反応
ツールは私の他にもう一人が作成を行い、また情報提供チームでは数十ページにわたるパワポ資料を作成してくれたので、成果物の質・量としてはひいき目に見ても十分すぎるだろうと思っていました。企業側も予想をかなり超えるものだったと高く評価してくれたので、ぜひこれを今後のDXに活かしてほしいと思います。
全体的な作業量・負荷
私たちのチームでは週1回のチーム内ミーティングを土日いずれかに、週1回の企業とのミーティングを平日に行っていました。特に平日については本業との関係で調整が難しいことも多く2度ほど欠席せざるを得ませんでしたが、忙しい人はこの時間的な拘束が厳しいかもしれません。
作業量としてはどこまで自身が深く取り組むかによってかなり変わってくると思いますが、私の場合は特に後半のツール作成がきつく、睡眠時間は結構削りました。
得たもの・学んだこと
まず、今回は自分が全く経験したことのない業界の企業だったので、業務フローやデータの持ち方など、すべてが新鮮でした。その中で自分なりに業務内容や課題を理解しながら解決策を考える練習にもなりましたし、またチームメンバーにはこの業界の経験者も数名いたので、その提案内容については非常に参考になりました。またプレゼン資料の作成にも長けた人がいて、前日話した内容をあっという間に見栄えの良い形でパワポに落としてくるので、大いに資料作成の参考になりました。
また今回は自身のコーティングの際に、効率化を図るためにChatGPTの活用に注力しました。自分では極力コードを書かずに、作成したい仕様をChatGPTに日本語で指示してコードを作らせてみたら、ほぼ思った通りのプログラムができあがったのでこれは自身にとって大きな収穫でした。この使い方についても企業に還元したので、実際に渡したツールよりもこちらの方が役に立っているかもしれません。
感想と反省点
今回のチームではそれぞれの得意分野を発揮できた結果となり、対企業としては十分なアウトプットを出せたと考えています。また様々なスキルの人がいたおかげで、未知の業界のこと、DXの進め方、資料の作り方など多くのことを学ぶことができました。
一方でもっとチームで議論を交わしながら解決策やツールを深堀りできるともっと自身のマナビは大きかったと思っています。もっと積極的に意見出しや行動を示してそのように誘導するよう努力しなければならなかったというのが反省点でした。
PBL
第2タームは企業協働の方で十分と考えていたのですが、貧乏根性が出てしまい学べるものは学ぼうということで、第2タームのPBL(Project-Based Learning)にも参加することにしました。
概要
第2タームのPBLは以下の新規事業開発の1種類でした。
(引用元:https://dxq.manabi-dx.ipa.go.jp/)
ビジネス課題を元に新規事業を開発し、それに必要な組織変革を考えるという幅広い分野の人に活用できるテーマだと思います。
第1タームと同様に1~2週ごとに提出課題があり、その課題に取り組んでいくことでノウハウを習得していくという形でした。その中で最終課題がまたプレゼン資料の作成ということで重めになっています。
私自身の取り組み方
本業・家庭・企業協働プログラムで余力がなかったため、ほぼChatGPTに頼りきりでした。最終課題以外の課題についてはChatGPTの提案内容をベースにほぼ数時間で完成させ、それを提出することで乗り切っていきました。
最終課題のプレゼン資料だけは企業協働プログラムが終わった後にも取り組めたので、少しだけ時間をかけました。といってもそれまでの自身の提出課題の内容をベースに案を考えることになるので、自分でも突っ込みどころ満載の中身の薄い資料とはなりましたが笑。ただ、そこでもChatGPTは大活躍でした。これまでの自分のアイデアを読み込ませた上で対話すると、プレゼン資料の構成から資料の内容の提案まで、良い壁打ち相手となってくれました(実態としてはこちらが彼の壁打ち相手になっていた感覚でした)。その内容をもとにCanvaを使って資料を作成すると、それっぽい成果物ができあがりました。
相互レビューと結果
今回も第1タームのPBLと同様、プレゼン資料については受講生の相互レビューによって評価が付けられ、上位者はそれでランク付けされる形式でした。
自分がレビューした人たちを見ると他の参加者もきっと時間がなかった人が多かったのだろうと想像され、過去の課題を貼り付けただの人やとりあえず提出しただけといった感じの人が第1タームに比べて多い印象でした。
自分自身はCanvaで見栄えを整えたのと、少しだけ経営目線の内容を取り込んだ点がよかったようで、結果的に上位10%くらいの順位の評価をいただくことができました。第1タームから資料の作成方法について学んできたおかげで資料作りのポイントを押さえていたのも大きかったかもしれません。
感想とマナビ
正直PBLの方は新規事業開発について自身が持つ知識とChatGPTに頼って乗り切ってしまったので、あまり深いマナビを得ることはできませんでした。このマナビDX Questの大きな特徴である受講生同士の交流にほぼ参加できなかったのが最も残念な点でした。
ただ、Slackへの書き込みはできるだけ読むようにしており、特に生成AIの活用方法については勉強になることが多かったです。スクリプトの書き方やGPTsの使い方などはさっそく活用させていただいています。さすがに自ら学ぼうとする人がこれだけの人数集まると、様々な知見を得ることができますね。
振り返りとまとめ
自身がかなり繁忙な期間での取り組みとなり、やや消化不良であったことは否めませんが、何とか地域企業協働プログラムとPBLの両方を何とかやりきることができました。
いずれも終了の証として以下のようなバッチをもらっています。PBLの方はすべて期限までに課題を提出したのでGold獲得です。第1タームでも記載しましたが、このGold修了証をもらえるというご褒美は自身にとっては締切までに提出しようという動機づけには大いにつながったと考えています。
地域企業協働プログラム
あと私が特に充実していたと感じているのがSIGNATEの学習コンテンツです。参加者はDXの基礎から機械学習のプログラミングまで様々な内容を無料で学習できるのですが、これは私が個人で入っている有料版のコンテンツよりもはるかに充実しています。よってこれだけでもこのマナビDX Questに参加する意義はあったと思います。
以上、3回にわたってマナビDX Questの体験記を記載いたしました。
来年度もおそらく開催されると思うのですが、もし参加を迷われている方がいれば、参加費は無料ですし、それぞれの忙しさや求める内容に応じて投じる時間の調整も可能ですので、まずは参加してから考えてみることを強くおススメします。AIモデルの作成やDXの提案、そして新規事業開発など、幅広い層の方に役に立つ講座だと思いますので。
私自身はおそらく来年度も参加して、その時の自分に必要な部分だけを重点的に取り組み、あとはSlackでのコミュニケーションとSIGNATEのコンテンツ消化を積極的に行おうと考えています。
もし参加されるようであれば私は「たい」の名前で参加すると思いますのでぜひお声がけください。