この記事で扱う内容
VS CodeでPythonを動かすには、Python本体のインストールと拡張機能の設定が最初の関門です。そこから先、実際にコードを実行する方法や、プロジェクトごとに環境を切り替える仮想環境の操作まで、手を動かしながら確認できる内容をまとめています。
この記事では次の内容を扱います。
- PythonとVS Codeの準備が済んでいることを前提に、実行方法・デバッグ・仮想環境選択など操作ステップに絞った解説
- ターミナル操作と設定ファイル(
settings.json)の使い方 - よく詰まるポイントとその対処
VS CodeへのPythonインストールや基本設定の手順はVS CodeにPythonを設定する方法【初心者向け手順解説】で解説しています。仮想環境の概念や作成手順はPython venvとは?install方法とversion指定を初心者向けに5ステップで解説を参考にしてください。
Pythonコードを実行する3つの方法
VS CodeでPythonを実行するルートは大きく3つあります。用途に合わせて使い分けると作業効率が上がります。
方法1:右クリックメニューから実行する
開いているPythonファイル上で右クリックし、「ターミナルでPythonファイルを実行する」を選ぶと、統合ターミナルが開いてファイルが実行されます。
初めて動作確認をするときに便利な方法です。
# hello.py
print("Hello, VS Code!")
Hello, VS Code!
方法2:ショートカットキーで実行する
ファイルを開いた状態で Ctrl+F5(Windows/Linux)または Cmd+F5(macOS)を押すと、デバッグなしで即実行できます。
毎回右クリックするより速く、頻繁に実行するときに向いています。
方法3:統合ターミナルで直接実行する
メニューの「ターミナル → 新しいターミナル」または Ctrl+@ でターミナルを開き、python コマンドで実行します。
python hello.py
Hello, VS Code!
Windowsでは python コマンドが動かない場合、py hello.py で試してみてください。
デバッグ実行の基本操作
コードが思った通りに動かないとき、デバッグ実行を使うと変数の中身や処理の流れを確認できます。
ブレークポイントの設定
コードの行番号の左側をクリックすると赤い丸(ブレークポイント)が付きます。デバッグ実行するとその行で処理が一時停止します。
デバッグの開始
F5 キーを押すか、左のアクティビティバーにある「実行とデバッグ」アイコンをクリックして「デバッグの開始」を選びます。初回は構成ファイルの選択画面が出るので「Python ファイル」を選んでください。
# デバッグで確認したいコードの例
def calc_total(prices):
total = 0
for price in prices:
total += price # ← ここにブレークポイントを置いて total の変化を確認できる
return total
result = calc_total([100, 200, 300])
print(result)
600
デバッグ中は画面上部に「続行」「ステップオーバー」などのボタンが表示されます。「ステップオーバー(F10)」で1行ずつ進め、左の「変数」パネルで値を確認できます。
launch.json でデバッグ設定をカスタマイズする
F5 でデバッグ実行すると、.vscode/launch.json という設定ファイルが自動生成されます。引数を渡したいときやカレントディレクトリを変更したいときに編集します。
# .vscode/launch.json の場所
プロジェクトフォルダ/
├── .vscode/
│ └── launch.json
└── hello.py
以下は launch.json の基本的な構成例です。args にコマンドライン引数を追加できます。
{
"version": "0.2.0",
"configurations": [
{
"name": "Python: 現在のファイル",
"type": "debugpy",
"request": "launch",
"program": "${file}",
"console": "integratedTerminal",
"args": ["--input", "data.csv"]
}
]
}
args に渡した値は sys.argv で受け取れます。スクリプトに外部からデータを渡して動作確認したいときに使います。
VS Code上での仮想環境の切り替え
仮想環境そのものの作成についてはPython venvとは?install方法とversion指定を初心者向けに5ステップで解説を参照してください。ここではVS Code上での選択・切り替え操作に絞って説明します。
インタープリターとして仮想環境を選ぶ
仮想環境を作成したあと、VS Codeにどの環境を使うか教える必要があります。
Ctrl+Shift+P(macOS:Cmd+Shift+P)でコマンドパレットを開く- 「Python: インタープリターを選択」と入力して選ぶ
- 一覧に作成した仮想環境(
.venvなど)が表示されるので選択する
仮想環境が一覧に表示されない場合は、ターミナルで以下のコマンドを実行してパスを確認してください。
# Windows
.venv\Scripts\python.exe --version
# macOS / Linux
.venv/bin/python --version
仮想環境を選択すると、VS Codeの左下にPythonのバージョンと仮想環境名が表示されます。
プロジェクトごとに自動で仮想環境を使う設定
.vscode/settings.json に以下を追加すると、そのプロジェクトを開いたときに自動で仮想環境のインタープリターを使うよう設定できます。
macOS / Linux の場合は次のように書きます。
{
"python.defaultInterpreterPath": "${workspaceFolder}/.venv/bin/python"
}
Windowsの場合はパスのセパレータが異なります。
{
"python.defaultInterpreterPath": "${workspaceFolder}\\.venv\\Scripts\\python.exe"
}
ターミナルで仮想環境が有効になっているか確認する
VS Code内のターミナルでも、選択した仮想環境が自動的に有効化されます。プロンプトの先頭に (.venv) のような表示があれば有効です。
(.venv) PS C:\projects\myapp> python --version
Python 3.x.x
表示されない場合は、VS Codeを再起動するか、ターミナルを閉じて新しく開き直すと反映されることがあります。
settings.json でよく使う設定
プロジェクト単位の設定は .vscode/settings.json、ユーザー全体の設定は Ctrl+, から開けるUI、またはユーザーの settings.json で管理します。
Python開発でよく使う設定をまとめます。
{
"editor.formatOnSave": true,
"python.linting.pylintEnabled": true,
"python.linting.enabled": true,
"editor.tabSize": 4,
"editor.insertSpaces": true,
"python.terminal.activateEnvironment": true
}
editor.formatOnSave:保存時に自動でフォーマットするpython.linting.pylintEnabled:Linterとして pylint を使う(別途pip install pylintが必要)python.terminal.activateEnvironment:ターミナルで仮想環境を自動有効化する
formatOnSave をオンにするには、フォーマッターを別途インストールする必要があります。代表的なものとして black があります。
pip install black
インストール後、settings.json に以下を追加します。
{
"python.formatting.provider": "black"
}
複数のPythonバージョンを使い分ける
プロジェクトによって使いたいPythonのバージョンが異なることがあります。VS Codeでは、インストールされているPythonのバージョンごとにインタープリターを選択できます。
インストール済みのPythonバージョンを確認するには、ターミナルで次のコマンドを実行します。
# Windows
py --list
# macOS / Linux
ls /usr/bin/python*
それぞれのバージョンで仮想環境を作成しておき、プロジェクトごとにVS Codeのインタープリター選択で切り替えるのが基本的な運用です。
# Python 3.10 で仮想環境を作成する例(バージョンがインストール済みの場合)
py -3.10 -m venv .venv # Windows
python3.10 -m venv .venv # macOS / Linux
つまずきやすいポイントと対処法
ターミナルで仮想環境が有効にならない
VS Codeを開いたときにターミナルに (.venv) が表示されない場合は、以下を確認してください。
settings.jsonに"python.terminal.activateEnvironment": trueが設定されているか- インタープリターの選択で仮想環境を選んでいるか
- ターミナルを新しく開き直しているか
拡張機能は入っているのに補完が効かない
Pylance(またはPython拡張)が正しい仮想環境を参照していない可能性があります。
インタープリターを選択し直した後、VS Code自体を再起動すると改善することがあります。また、仮想環境に必要なパッケージがインストールされているか確認してください。
pip list
ModuleNotFoundError が出る
実行中のインタープリターと、パッケージをインストールした環境がズレているときに起きやすいエラーです。
VS Code左下のインタープリター表示を確認し、意図した仮想環境が選択されているかを確認してください。選択されているインタープリターのパスは次のコマンドで確認できます。
python -c "import sys; print(sys.executable)"
表示されたパスが .venv の中を指していれば、正しい環境で動いています。
AI時代における VS Code + Python の使い方
AIがコードを生成するようになっても、デバッグ実行でどの変数に何が入っているかを追う力や、仮想環境の切り替えミスがどこで問題を起こすかを読む力は、自分の手で操作した経験から身につきます。生成されたコードを動かして確認するとき、この記事で扱った操作の流れが土台になります。
まとめ
この記事では、VS CodeでPythonを実行・デバッグ・仮想環境管理するための操作ステップを解説しました。
- 実行方法は右クリック・ショートカット・ターミナルの3通り
- デバッグはブレークポイントと
F5で始められる launch.jsonで引数や実行設定をカスタマイズできる- 仮想環境はコマンドパレットの「インタープリターを選択」で切り替える
settings.jsonでフォーマット・Linter・仮想環境の自動有効化を設定できる
Pythonの環境設定全体について体系的に学び直したい場合は、AIが普及した時代にプログラミングスクールは必要か?【判断基準を解説】も参考にしてください。どこまで独学で進め、どこから体系的に学ぶかを整理するのに役立ちます。